小惑星「2024 YR4」の衝突リスクと人類の対応策

アルマゲドンが現実に?2032年、小惑星衝突の可能性は“現状2.2%”…「これはSFではなく“サイエンスノンフィクション”」地球どう守るか
https://times.abema.tv/articles/-/10164372?page=1
2024年に発見された小惑星「2024 YR4」が、2032年12月22日に地球へ衝突する可能性があるとABEMAの記事を読んだ。当初の衝突確率は1.2%とされていたが、最新のESA(欧州宇宙機関)の発表では2.2%に上昇した。この確率が示す意味とは何か、そして人類はどのように対応すべきなのか、記事をもとに考えてみる。
小惑星衝突のリスクと影響
「2024 YR4」の直径は40〜90mと推定されており、仮に衝突すれば甚大な被害をもたらす可能性がある。2013年にロシア・チェリャビンスク州に落下した隕石は直径約17mで、広島型原爆の30倍以上のエネルギーを放出したとされる。それと比較すると、「2024 YR4」は最大でその倍以上の破壊力を持つ可能性がある。
記事によれば、直径40mの小惑星が衝突すれば「村1つが消滅する規模」、直径90mならば「東京23区全体に影響を与える規模」とされている。また、衝突地点が海上であった場合、大規模な津波が発生し、沿岸地域に甚大な被害をもたらす可能性もある。
現在の観測状況と確率の見直し
JAXAの天文学者・浦川聖太郎氏によると、「2024 YR4」の衝突確率2.2%は、「公表されていて誰でも知れる状態だ。IAWN(国際小惑星警報ネットワーク)で議論されていて、2.2%は『天文学者は注意して観測しよう』というレベル」だそうだ。過去にも、初期観測では衝突のリスクがあるとされた小惑星が、軌道計算の精度向上により「衝突しない」と確定した例がある。今回も同様に、今後の観測で正確な軌道が判明すれば、衝突のリスクが低下する可能性がある。そのため、研究者たちは引き続き「2024 YR4」の軌道を精密に追跡し、最終的な判断を下すことになる。
「もしも」のシナリオ
仮に衝突が不可避となった場合、被害を最小限に抑えるために何ができるのか。記事では「衝突地点が判明した段階で、住民の避難や津波対策などを行う必要がある」と指摘している。
2017年には「どの経済レベルの都市なら助けるのか」といった倫理的な問題や、「情報をいつ公表するか」などの課題が議論された。
結論:恐れるべきか、それとも冷静に観測すべきか
「2024 YR4」の衝突確率は現時点で2.2%とされているが、詳細な観測が進むことで確率は低下する可能性が高い。一方で、人類はこのようなリスクに対し、事前に備える必要があることも事実だ。
SF作品では、隕石衝突は人類存亡の危機として描かれることが多い。しかし、現実の科学技術は進歩しており、NASAのDART計画の成功はその証明だ。「2024 YR4」は人類にとっての試練かもしれないが、冷静な観測と科学的アプローチによって、安全な未来を築くことが可能である。